自分の下の名前を一文字間違えて書いてしまったり、ふと出てこなくなったりすることがある。 少し時間が経てば思い出せるけれど、学生で若いのに大丈夫なのかと不安になる。 また、苗字も名前もよくある名前で、呼ばれても自分のことだとなかったりした経験があり、それが影響しているのではないかとも感じている。 大きな支障はないけれど、このままでいいのか心配になっている。

名前がふと出てこなくなること自体は、年齢に関係なく誰にでも起こることなんです。 理由を説明しますね。 名前が出てこなくなる時というのは特に、緊張・不安・考えごとが多い時や、「間違えたらどうしよう」と意識しすぎている時。 また、思い出そう思い出そうとするほど思い出せなくなることがあるんです。 また、「呼ばれても自分のことじゃなかった」とか、例えば「自分の存在がぼやける感じがあった」という経験があると、無意識のうちに「自分の名前＝自分」という感覚が弱くなってしまうこともあります。 これは、脳の認識の仕方が誤作動を起こしたりして生じていることも考えられます。 こういう場合、考えられるのは心の緊張だったり、過去の大きな感情が影響している可能性があるんです。 FE510さん、思い出せなかったりする場面を思い起こしてみて貰えますか？ その時に、緊張を感じる場面だったり、もしくはその前後で緊張や心の揺れを感じたりする場面はなかったでしょうか？

FE510さんさんにまずお伝えしたいのは、「すぐ思い出せている」「後から修正できている」のであれば、例えば記憶障害を起こしているというよりは、場面場面で緊張や、自分の存在の不確かさや、どこか自信を失ってしまったりしている感覚はないか…という部分を考えてみたいですよね。 もちろん、不安が大きくなってくるようであれば、医療機関を受診して頭部の精密検査を受けてみてもいいかもしれません。 もし今、他にも眠りにくさ、強い不安、気持ちがぼんやりする感じが重なっているなら、併せて精密検査を受けてみても良いですよね。 そのうえで「異常なし」となれば、過去の体験や場面ごとのか自分の感情の揺らぎを思い返してみましょうか。 どんな時に、名前が出てこないことが多いか。 どんな感情を感じた時に、名前が出てこないことがあるか。 そうやって、細かく考えていくと、FE510さんの中で名前が出てこない場面に、何か共通点が見つかるかもしれません。 また、その他にできることとして少し挙げてみると ・名前を書いたり言ったりするときに「間違えないか」より「確認すればいい」と考える ・焦っているときは一呼吸おいてから書く ・「また忘れた＝ダメ」ではなく「自分は今は緊張してるんだな」と心の状態に目を向ける 自分とこうして向き合ってみることで、今感じている不安は少し和らぐことがあります。 もしFE510さんが焦りも感じているなら、不安と併せて焦りの感情も和らいでいくと思います。

カウンセリングでは、「名前を思い出せない」という現象そのものだけでなく、その奥にある不安や感覚、感情の揺らぎ、または過去の体験を、無理のないペースで整理していくことができると思います。 「これは病気なのか」「気にしすぎなのか」と一人で判断しなくていい場所があるだけでも、気持ちはかなり楽になると思います。 マインドカフェのカウンセリングも、こうした「はっきりしない不安」を、専門家と一緒に言葉にしていく場として使ってもらえると思います。 FE510さんは、今の自分の状態に気づけて、立ち止まって言葉にできている。 それだけでも、十分大切な力だと私は思います。 不安が大きくなってくるようなら、決して一人で抱えないで下さいね。