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メンタルヘルス
コーヒー豆_レベル._アイコン.yuki0112
2ヶ月前
退院後、無気力がつづく
最近、病気で、入院、手術を経験しました。 退院後も毎日のように治療で通院する日々も合わせると3ヶ月ほどでしょうか、治療の区切りがつくのにかかりました。 今は、仕事も復帰してはいるのですが、 せっかく体も健康に近づいたはずですが、 大きい出来事のせいか、なんか人生やり切った感といいますか、燃え尽きたといいますか、 そんな感じで気分も上がらず、無気力な日々を過ごし、仕事にも身が入らなくなりました。 今の職は10年勤務しているので、これを気に転職でもしようかと思うのですが、いまは何もやる気が起きなく、 この無気力の正体はなんなのか、、
不安無気力
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専門家プロフィール
滝 真樹子 さんの専門回答
2ヶ月前
対象喪失に伴う「喪の作業」について
#無気力 #喪の作業 #モーニングワーク
yuki0112さん、こんにちは。臨床心理士・公認心理師の滝と申します。病気をされていたようですが、入院・手術を無事に終えられたとのこと、本当に良かったです。現在抱えている無気力感について、何かヒントになることがあればと、コメントさせて頂きました。
[今回の悩み]
最近、病気の治療が一段落し、お仕事に復帰されたというyuki0112さん。大変な手術や、退院後の頻繁な通院の日々を乗り越えられたのですね。ご退院、並びにお仕事復帰おめでとうございます。そして、本当にお疲れ様でした。体は回復してきたものの、大きな出来事を乗り越えたことで燃え尽きてしまったのか、無気力な日々が続いて仕事にも身が入らないという日々が続いているのですね。この無気力の原因は何なのだろう、という疑問を投稿してくださいました。
[悩みの原因・分析]
身近な人や愛着の対象など、大切にしている存在を失う体験を「対象喪失」と呼びます。これは誰かとの死別や何かを失くすという経験以外にも、病気で今まで通りの生活ができなくなったり、環境が変化したりといった経験にも当てはまります。そして、対象喪失に続く様々な情緒的反応をフロイトは「喪の作業(モーニングワーク)」と呼び、ショッキングな出来事から立ち直るために大切なプロセスであると位置づけました。 「喪の作業」には4つの段階があると言われており、①強い衝撃を受けて混乱したり、不安や興奮が高くなる情緒的危機の段階②失った対象への思いが強く、喪失を受け入れられない「抗議」「保持」の段階③失った対象が戻ってこないという事実に伴い、悲嘆反応や無気力感が起こる「絶望」「抑うつ」の段階④失ったことを受け止めて自分の中で消化し、新たな目的や対象を見出していく「離脱」の段階となっています。 一つの例ではありますが、こんな考え方もあるということを頭に入れながら、yuki0112さんの今の状態についてもう少し考察をしていきたいと思います。
[やってみましょう!]
◎自然な反応であることを認識する 病気による手術・入院という大変な出来事を終えたyuki0112さんは、治療期間の3ヶ月を経て以前とは違った環境にいたり、体調も全く同じという訳ではないかもしれません。そんな状態にあって、すぐにモチベーションを保って今まで通りの生活をこなすのが難しいと感じるのは自然な反応です。もしかしたら今は「喪の作業」でいう③の抑うつ的な状態にあるのかもしれません。病気を乗り越え、退院後に無気力感に襲われるというのは正常な反応です。これは当たり前の反応なんだということを認識し、無理をせず十分に自分を労わりながら少しずつ元の生活に慣れていくことが大切です。 ◎「喪の作業」は復帰にあたっての必要なプロセス 「喪の作業」は必ずしも一定方向に直線的に進むわけではなく、行ったり来たりを繰り返しながら徐々に離脱の段階に進んでいきます。病気をしたり環境の変化を経験したりしたら、誰しもが情緒的に不安定になったり、無気力感に襲われたりすると思います。でもそれは、少しずつ気持ち的にも回復するために必要なプロセスでもあります。こういった流れを理解することで「自分は今この段階にいるな」と客観的に認識することができ、気持ちを落ち着かせることにも繋がります。今後の転職も考えているとのことですので、じっくり自分の気持ちと向き合ってみるというのも、大切な期間なのかもしれません。 ◎誰かに気持ちを話してみる 3ヶ月という治療期間を経て、お仕事に復帰されるにあたっては、なかなか一筋縄ではいかないことも多かったのではないでしょうか。投稿には触れられていませんが、きっと様々なご苦労や、葛藤もあったことと思います。そして、お仕事をされている中でも思うようにいかないことや、今までとは違うと感じることもあるかもしれません。そういったストレスを知らず知らずのうちに溜め込んでいる可能性もありますので、誰か身近に話ができそうな人がいたら、気持ちを話してみるということも大切です。転職を検討されているようでしたら、自分の気持ちを振り返ってみるというのも大切かと思います。復帰後は元の生活に戻ることに焦点を当てがちで、ついついストレスをないがしろにする傾向があります。自分の中にあるモヤモヤを置き去りにせず、時には誰かに話をすることで俯瞰的に見てみるということも重要です。
まだまだ体調は完全に元通りという訳ではないと思いますので、どうぞお身体を大切に、無理のないように過ごしてくださいね。今の無気力感や今後の生活、仕事について、第三者と話をすることでじっくり考えてみたいということがありましたら、カウンセリングも役に立つかと思います。良かったら検討してみてください。yuki0112さんの心の負担が少しでも減り、体調と共に徐々に気持ちも回復の方向に向かっていきますことを、祈っています。季節の変わり目ですので、くれぐれもご自愛ください。