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自分の性格
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2ヶ月前
「気にしすぎない」ってどうすれば良いんでしょう
よく「気にしすぎないで良い」と言われることがありますが、どうすることが正解なのかよく分かりません。 自分の身に起きたネガティブな出来事等に対して過剰に反応したり意識をとられすぎていると見えるからこその言葉だとは思うのですが、個人的にはその時間を経て出来事に向き合ったり消化したりしているつもりでした。 たとえば職場や学校にいる気難しい人から強い言葉で何か言われたとき「自分に落ち度があっての指摘かもしれない、そうだとしたら改善できたほうが自分のためにもなる」と考えてそれまでのことを思い返すだとか、何かミスをしてしまったとき「同じことを繰り返さないために原因と対策を考えよう」と思うだとか、そういったときに高い確率で掛けられる言葉が「そんなに気にしないで」の類いです。 自分自身かなり気にしいな自覚があるため、何かあるたび必要なければ気に留めないことを意識していますが、それでもやはりよく言われるためどうしたものかと思っています。 「気にしないで」という社交辞令として受け取って今のままいてもいいのでしょうか。それとも言葉どおり気にしないのが良いのでしょうか。お知恵をいただけますと幸いです。
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専門家プロフィール
鯨井 薫 さんの専門回答
2ヶ月前
ネガティブな出来事が起こったとき
#ネガティブ #出来事 #反応 #原因と対策 #気にしない
grackyさん、始めまして。臨床心理士・公認心理師の鯨井です。 自分の考えと周囲からの言葉のギャップがあるのですね。状況や必要性、grackyさん自身の考え、ご様子などで、どちらを選ぶかは変わってくるのかもしれませんが、一度整理してみることで迷ったときにどうするかを決める方向性が見えてくるかもしれません。専門家としての一つの整理方法を提案させていただきますね。
[今回の悩み]
grackyさんは、ネガティブな出来事があったとき、自分としては今後同じことを繰り返さないように、その出来事を振り返って原因と対策を考えているのですね。しかし、周囲の人からは、「気にしないで」と言われてしまう…。 grackyさんとしては、「必要なければ気に留めないことを意識されている」ということは、振り返って考えているときはご自身にとって「振り返る必要があるとき」ということでしょうか。自分としてはその必要があると思っているのに、周囲は「気にしないで」と声をかけてくれる。その言葉をそのまま受け取ってよいのか迷われているのですね。
[悩みの原因・分析]
ネガティブな出来事が生じたときに、同じことを繰り返さないように、その出来事を分析し、似たような出来事が起こらないようあらかじめ予防する方法や、出来事が起こったときのよりよい対処方法を考えておくことは、とても良いことだと思います。grackyさんは、その必要を感じたときに、出来事の振り返りをおこなっているのだと思いますが、周囲の方はgrackyさんの考える「必要性の高さ」まではくみ取ることは難しいのかもしれません。 「自分自身気にしいな自覚がある」と書かれていますが、周囲の方は、grackyさんが一つの出来事を深く考えることを知っているのでしょうか?そういった場合には、周囲からの「気にしないで」という言葉は、考えすぎて落ち込んでしまうことへの心配や、「大丈夫だよ」という励ましという可能性があります。そういった言葉を受け、納得できるときには、grackyさんも考えることから距離を置くことができるのかもしれませんね。 問題は、「周囲の人からそういわれても、自分自身がそれに納得できないとき」です。納得できないときには、納得できないきちんとした理由があると思います。grackyさんにとっては「考えることが必要」という理由があります。そういった場合には、周囲からは「気にしないで」と言われても、ちゃんと向き合ったほうが、自分にとって納得のいく考えにたどりつけるのかもしれません。 例えば、接客をしているときに自分の言葉やふるまいでお客様を怒らせてしまった、ケアレスミスで周囲に迷惑をかけた、といった場合などは、周囲からの言葉を受け取ったうえで、自分自身で振り返って考えることで今後に生かしていけますね。 実際に起こった出来事から「今後に生かしたい」と考えるgrackyさんのお考えは、とても素晴らしいと思います。
[やってみましょう!]
「ネガティブな出来事が起こった」→「自分はそれを振り返る必要があると思う」 こういった条件がそろった時には、周囲の方たちからの声掛けに感謝しつつ、自分自身で一度振り返ってもよいと思います。 いくつか振り返るときに意識をしていただきたいポイントがあります。 1.その出来事について、まずは客観的に振り返ること。「ネガティブ」であることはいったん横に置いてみましょう。 2.その出来事が起こったときに、どんな気持ちになりましたか? 3.その気持ちになった理由はなんでしょうか? 4.その理由以外にほかの理由は考えられますか? 5.そう考えるとどんな気持ちになりますか? これは認知行動療法の基本的な考え方です。人間にはポジティブな情報よりもネガティブな情報に注意を向けやすい傾向(ネガティビティバイアス)があり、ある出来事に対して実際以上に悪く考えている可能性があります。認知行動療法の振り返りを用いることで、出来事を客観的に振り返り、ほかの可能性も考えたうえで、今後の注意点をいくつか挙げることができます。投稿にあったように「気にしい」な方は特に、出来事の振り返りの際に自分を落ち込ませるようなぐるぐる思考に陥りがちなので、ノートやメモ帳に書き込みながらこれらの流れで振り返ってみることをおすすめします。
認知行動療法は繰り返し行うことで、物事を客観的に分析できるようになりますが、最初は、今まで自分が行っていたものとは違う考えを出すことが難しく、一人で行うとそこで挫折される方もたくさんいます。カウンセリングを通じて認知行動療法を行うことで、カウンセラーと一緒に違う考えを導き出すことができ、また思ってもいなかった考え方に出会うといったこともあります。繰り返し行うことが一人では大変でも、一緒に考える相手がいると、継続しやすくなります。 今回はご投稿いただいた内容からの推測でコメントさせていただいているので、grackyさんのお気持ちを汲み取れていない部分も多いかと思います。ネガティブな出来事があったときに、なんでも「気にしない」と遠ざけるのではなく、「原因と対策を考えよう」と前向きに受け止められているgrackyさんのお役に立てると幸いです。