本を一冊読み切れたよ、ほんの些細なことだし、本は手元にあるだけで安心材料だっ。一冊の文庫を読み切るのが、こんなにつらいことになるなんて思いもしなかった。
いっとき忙しくて本読んでなかった時期に親から言われたよ。「本を読まないお前はつまらない」「本読んで折角積み上げたものが壊れたね」「もったいない」ずーーーっと、言われてた。心底呆れたような目で、或いは、笑われながら。
それで、本を読まなきゃって思った瞬間、読書が大好きだったのに、本を読むのが大好きだったのに、本が読めなくなった。読書が辛くなった。義務化した読書をしようとしてることで、本が開けなくなった。それで2年たった。長かった。読書が好きな私はいるのに読書がずっとできなかった。けど、読み切れたよ、今日。昨日から星の王子様を読んで、ちゃんと最期まで読み切れたよ、今までの人生で1番ゆっくり本を読んだ、途中何度か本を閉じたよ、こんなはずじゃないのにって。けど、読み切れたよ、私、大好きな読書、再開できるよ、がんばったね、よかったね