父が実家に帰ってくるようにと言ってくる。
母とはもう1年近く連絡をとっていない。
私にとって家族とはなんだろうと考える。愛していないわけじゃない、悲しませたいわけでもない。
でも一緒にいると疎外感を覚える。私は彼らにとって「理想の娘」ではないから。彼ら自身も気づいていない無意識の期待。「普通」の鎖。私は応えられなかった。だから彼らは私を恐怖によって従わせようとした。ありのままの私を全否定して、力付くで押さえつけて粉々に打ち砕いた。そして気が済んだらコロリと態度を軟化させ、家族ごっこに戻るのだ。そんな彼らが幼い頃から気味が悪かった。信じていいのか分からなかった。成長するにつれ、この人たちとは一生分かり合えることはないと悟った。一つ暴力を受けるたび、一つ心無い暴言を浴びせられるとき、心のシャッターはガラガラと閉じた。扉は固く錆びついて、もうどうにも開けられない。
だから、私にとって家族とは。血が繋がった他人。それ以上の期待はできないし、したくない。彼らは私を薄情だという。自らの行いを省みることもせずに。私の根底には温度の高い青い炎みたいな怒りがずっとある。でもこれを彼らにぶつけたくはない。私は父と母ををとても愛しているから。だから距離を置きたいだけなのに。それでも私は薄情なのか。