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自由
コーヒー豆_レベル._アイコン.solttissim
2ヶ月前
大好きな教育係の先輩が、来月から人手不足な他の支店へ異動になる。 急すぎる、と思った。 そんな、急すぎる、だってまだこの店舗の女性スタッフは産休中の方を除けば、入ってまだ半年と入ってまだ2ヶ月だ。 優しくて、丁寧に教えて下さって、可愛らしくて、話が面白くて。大好きで。大好きで。大好きで。 私と似たような人生を歩み、私と違って職場恋愛の末に幸せな結婚をした彼女は、別の世界にいる幸せな人生を歩む私の片割れなのだとすら思った。 先輩が、『貴女ならもう大丈夫』と微笑んで太鼓判を押してくださる度、泣きたい気持ちになる。 私がもっと仕事を覚えるのが遅かったら、傍にいて下さったのですか。 私に出来ることなんて、一つだ。もっともっと完璧に近づけるよう努力して、先輩を笑顔で背筋を伸ばして見送ること。 聞けば、配属先は彼女の旦那さんと同じ職場だそうじゃないか。彼女の幸せは続く。ならば。ならば。 あと半月。精一杯頭に叩き込もう。彼女が安心して、巣立てるように。 いつか、また一緒に働ける日を夢見て。
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