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自由
サモーン
5ヶ月前
春の世界に夏の匂いが散りばめられているような夜。どうりで葉も青い。 梅雨は嫌いな私だが、雨の匂い、それもこうした夏に似合わぬ静かな雨の匂いは好きだ。鼻伝いに季節にからかわれている気がして、少し昔に戻れた気がするからだ。 しかし、未だ梅雨は来ぬ。まだ春化粧をしたままの花を待っているから。 まして夏は気温だけが先走って、景色は少し遅刻するから。それも待って、未だ梅雨は来ぬ。 そんな夢をみる春雨の暮れ。いま、電車が通り過ぎた。ライトが眩しく先へと導いて。
うおおおおん
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