久しぶりに息子の話をした。
もう平気で、大丈夫だと思っていたのに、声が少し震えるし、小さな息子の写真を見て涙がポロリと落ちた。
たまに人にこう聞かれることがある。
「息子に会いたい?」
こればっかりは経験した人でないと理解出来ないかもしれない。
会いたいとは言えない
これが私の答えだ。
何でだとも問われる。
それは息子にとっては私は、息子を捨てた母親でしかないからだ。
もちろん、そんなつもりは一切ない。
息子が世界一大事で、息子のためなら死ねる。
それぐらいの気持ちがある。
しかし、息子にとっては知ったこっちゃないのだ。
そばにいて欲しい時にそばにいなかった母親、むしろ他人同然でもあるかもしれない。
「そんなことはないはずだ」
と誰が言える?
一番辛い思いをしているのは息子のはずだ。
なぜ、私が「会いたい」と言える?
「会いたいと思ってくれるよ」
なぜ、そう期待が出来ようものか。
私ただ願うばかりだ。
元気でいてさえいてくれれば、それでいい。
ただただ…
ただただ…
そう願う。
私も愛する息子と離れて充分苦しんだ。
もがき苦しんだ。
気が狂うほどに。
それでもあなたは私に
「息子に会いたい」
と聞けますか?