突然だが自分はペーパードライバーだ。
学生の頃免許を取り、それ以降車を運転する必要にかられることがなかったため、なあなあで10年近くをすごしてしまった。
そんな自分がペーパードライバーを脱却しようと奮起したのが去年からだ。
理由は運転ができる家族の高齢化。
運転はできたほうが何かと便利だ。
いや違う。これは対人向けの建前だ。
「運転ができない」という劣等感に苛まれて仕方ないのだ。何もできない人間なのだと極端だがそう思ってしまう。
そのため教習に行き、最低限の事はできるようにした。
ただ、先日物損事故を起こした。パニックになり、ハンドルを真っ直ぐに切り戻し忘れたのだ。
対人ではなく、無人の車にぶつけた形だが、たまたま掛け捨ての保険に加入しておらず、おそらく数十万の修理費を負担することとなる。
保険に加入していなかったのは、自分の落ち度なので仕方ない。いい勉強代だと思うことにする。
ただ、今後運転するに当たり自分のようなとっさに判断ができない、劣等感のみで運転をしようとした人間が下手をすると人の命を奪うような鉄の塊を扱えるのか不安で不安で怖くて仕方ない。
いい歳をした大人が何を行っているのだという話だが、泣きわめいてしまいたいのだ。
結局何もできない、中途半端な動機で下手をすれば人の命を奪ってしまうかもしれないその事実に直面して、怖くて怖くて仕方ない。