メイクなんてする必要ないって思ってた
むしろ余計に不細工だろうなと
鏡を見ることすら嫌だった
目線はいつも下ばかり
キラキラして喋り歩く
同性を見て溜息の毎日
『自分もいつか堂々と歩きたいな』
小さく呟く私の声に届く者は
誰1人居なかった
せめてもの温もりが欲しくて
色んな人と出会ったとて
心が満たされることもなかった
あぁ、自分の人生なんかこんなもんだ
いっそ…もういいよね
そう思った矢先にあなたがいた
「会う約束したんだから会おう」
誰でも言えるような、あなたの言葉
はぁうざいな。ほっといてよ。
涙浮かんだあたしはそそくさと
待ち合わせの駅前に向かった
あれからもうすぐ2年
あなたと共に暮らすようになり
共に生涯を過ごすことを選び
続けたかった仕事は辞め
新たな道を歩もうと
今までしたくても出来なかった事を
成し遂げようとしているあたしが居る
この先の不安は誰も拭えない
だからこそ、私が私の世界を変えるんだ
今を精一杯に生きてやるんだ