この前、酒に酔って家に帰る深夜2時、無性にイライラして、道端の雪山に八つ当たりしながらなんとか家に辿り着いた。駐車場に駐めてある自分の車の前で、拳に滲む血を見て凄く嫌な気分になり、その場にうずくまった。氷点下の中でそうしていると、このまま寝たら死ぬだろうな、死ぬと分かっているのに寝たら自殺だけど見た目は酔っ払いの事故に見えるだろうな、事故なら自殺よりもマシだろうか、と考えた。試しに横になると、硬いアスファルトの冷たさが頬に触れた。このまま寝たら死んじゃうかな。
4年前、伯父が他界した。酒を飲んで酔っ払った伯父は、サウナの中で気を失ってそのまま亡くなった。伯父の突然の死に動揺したことは言うまでもなく、その一報を聞いた日は眠れなかった。元気で陽気で、誰とでも仲良く優しかった伯父の顔を思い出すと、死んではいけない気がした。
おもむろに起き上がり、家に帰った。
僕の人生の中で最も死に近づいた瞬間だったかもしれない。