また寝る時間が迫ってきている。布団を被ると、イヤなことばかりがのしかかっているように感じる。頭を委ねる枕も、なんだかゴワゴワしていて不安になる。
また明日が来るんだ。と思うと、過ぎゆく昨日の暗さと、眩しい明日の憂鬱に挟まれて、目を瞑ることも、開けることも許されていないような気がした。
だからいつの間にか、『人生』という、悠久の時間の中で巻き起こる一瞬から逃げたいと思うようになっていた。
ドラマなどで聞く『いい日』なんて、もう来ない。常に孤独で、誰からも愛されていない自分は、僅かな希望を抱くことすら悩ましい。
でも、こんなことをどこかに吐けば、辛い言葉の応酬だろうから、グッと心の奥底に抑圧する。
あぁ、また今夜も泣いている。どうせ逃げられず、明日に屈するんだ。自分が惨めに思えて仕方がない。
「大丈夫?辛かったね。」
たった一言、その一言が欲しいだけなのに。真っ暗な部屋はずっと沈黙している。