気が緩んで、冗談めかしたように笑いながら 「もう疲れて辛くて死にたいって思うよ。そう思った事ない？」 って何回か話した程度のクラスメイトに2人だけの放課後の教室で言ってしまったことがある。「うん辛いとそうだよね」ってそんな簡単な同意を求めて期待してた。 「え、思ったことないけど。」 ああ本気でそんなこと考えたことないんだろうなと思うようなまっすぐでそれでいてこちらの問いかけに疑心を抱くような声が返ってきて、我に返った。なにを聞いているんだろう、しまった、失敗した、間違えた。 衝撃を受けた。こんな人間がいるんだってこと忘れてた。死にたいと思った事のない人間がいるって忘れてた。普段色んな人に囲まれて笑って過ごしてる人がそんなこと思うわけないって忘れてた。 そっか。と笑って言ったあと、ひどく寂しかった。