わたしね、自分の母親のこと「良い母親」だと思ってたの。
だって、おやつくれるし。
美味しい料理つくれるし、家事もちゃんとできるし。
掃除はちょっと行き届いてなかったけど……
洗濯も毎日してくれたし!
子供のイベントにも積極的に参加してくれてたし。
愛されてるんだと、思ってた。
だから、「ハズレ」の旦那ひいちゃったのが
可哀想でカワイソウで………
母は、毎日、父について愚痴っていた。
母は被害者だし、わたしは100%母の味方だった。
はやく父と離婚しないかな〜わくわく。
わたしは迷うことなく母についていくよ。
わたしも、母を愛してると思ってた。
ただ、彼女、ちょっとリアクションが良くなくてね………
遊びに出掛けてても、すーぐ愚痴をこぼしちゃうし。
そんな彼女の態度や、言葉が、ひとつ、ひとつ……
わたしの「成長」の芽や、「夢」への道を、
摘んで潰していっていたこと、わたしは気付けなかった。
いま……思うんだ………。
あのお出掛けの場にいたのが、彼女でなく、別の人なら……
あの話を共有したのが、彼女でなく、別の人なら………
違う想いがあって、違う思い出があって、
違った展開があったんじゃないかな……なんてね。
大好きな母親が、毒親だと知るのが怖かった………
つらかった………苦しかった………
彼女が愛しているのは、わたしでは無いのだと、
彼女自身の母親である祖母なのだと知ったあの日を
思い出したくなかった…………
そして、わたし自身もまた、母親を愛してなど
いなかったのではないかと………
「愛している」という設定を設けていただけなのではないか、
わたしは愛着の構築に失敗しているのではないか、と………
愛が分からなくなったよね。
最初から知れてなかったのかもしれないけど……
知っている……つもりではいたんだよね………
恥ずかしいよね………偉そうに語ってたりしてさ。
恥ずかしい…………