病院の待合室で
素敵なガールフレンドが出来た。
検査後、待合室は混んでいていて
僕の居場所は無かった。
すると1人の女性が声を掛けてくださった。
女性「つめればお隣、座れるわ。」
僕は、お言葉に甘えて隣に座らせていただいた。
女性「あなた、先ほど院長先生の診察室に入っていかれたわね。ということは..お若いのに大変ね。」
穏やかな声で労ってくれる彼女のおかげで、
検査の結果を待つ強張る僕の肩のチカラが抜けた。
女性「わたしも、あなたと同じ..辛いわね。
でも悲観していても仕方がないわよね。」
穏やかな笑顔で笑う彼女に、つられて僕も笑顔になった。
その後、1時間ほど
彼女のお話を聞かせていただいた。
若かりし日のこと、苦労されてきたこと、楽しかった思い出、旦那さまのこと..
彼女の名前が呼ばれた。
彼女の検査結果が先に出た。
女性「名残惜しいわ。今度、わたしのお家に遊びに来て欲しいくらい。OOに住んでいるの。電話番号を教えても..?あら、わたし書くモノも渡せるモノも何も無い。」
悲しそうにする彼女。
僕「初めてお会いした女性にすぐ住所や電話番号をお聞きするのは、男として軽率かと..笑」
女性「ちゃんとしていらっしゃるのね。えらいわ。でも、また逢いたいの。」
僕「また逢えますよ。きっと..。」
彼女は手を出して僕の手を握った。
女性「今日は、素敵なお友達に出逢えたわ。
ありがとう。また..きっと逢いましょうね。」
素敵な..
だけどほんの少し寂しげな笑顔で
手を振った彼女。
今度逢えたら、どんなお話しが聞けるだろう..
憂鬱な病院もガールフレンドのおかげで
少しだけ楽しみ..かな。
※女性の年齢を書くのは大変失礼なこと。
「わたし76歳のおばあちゃん。」
それ以上に、
にこっと笑った笑顔が素敵な..
品格と優雅さを持った女性でした。