負けを認めることで勝てるようになった話。
いじめから生き残るためには、私は頭が良くなければならなかった。私に危害を加える人は私より頭が悪い、むしろそうであってくれないと私の存在が脅かされた。あらゆる場所で何らかの知識で上回れるように、できるだけ少数派で貴重な知識を、かき集めては貪るように吸収した。
時が経ち、私は自分の生きる場所を自分で選択できるようになった。ここでは私に危害を加えようとする人はいない。
しかしここで問題が起きた。
良かれと思って誰かがアドバイスしてくれても、私は素直に聞けなくなってしまっていた。
アドバイスをくれるということは、相手の方がモノを知っているということ。私にとってそれは脅威であり、受け入れがたい事実だった。
この事実に私が抵抗すればするほど、相手は強くそれを指摘した(仕事にならんのでそれはそう...)。私は相手が攻撃してきたと決めつけ、相手を悪者に仕立て、あいつが私をいじめるんだと攻撃した。…そして孤立した。
妻に状況を話し、やっと目が覚めた。私は自分の至らなさを周りに認めた。惨めな思いをするかと思ったが、むしろ楽になった。「自分の実力を正しく評価できる自分」がとても好きになったからだ。「裏切り続けた自分」の立場を理解し、立ち向かえたからだ。
未だに相手を無意識に下に見てしまうことはある。意識できた時点で謝罪し、今後も客観的に見られる自分に誇りを持ち続けたい。