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自由
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1年前
※ ちょっと長めの私自身のおはなしなので、時間に余裕がある方推奨です。 十代の頃、そこそこ大きな病気に罹った。 毎日生きてるだけで精一杯で、強烈な体験だった。 「これを乗り越えたらきっと元気で、明るい未来があるんだ」って信じてた。 やっとひと段落ついたって頃、親が離婚。 理由は私が病気になったからだった。 同じ時期に、薬の副作用で足に障害が残った。 治らないから一生付き合っていくしかないのだと。 なんやかんやあって時が経ち、 一時は生きるか死ぬかも分からなかった私が 受験生になった。そんな歳まで生きれた。 小さな頃からなりたかった職業があった。 ずっとずっと、それだけを夢見て生きてきた。 けれど、いざ学費やらの話になると 払えない状況になっていた。 主に親が理由で。 親のお金を当てにしてた 自分が悪かったんだなあ、って申し訳なくなった。 足が悪く体調も不安定で、自分で働いてお金を貯めるという選択をとれるほどの覚悟はなかった。 さてどうしようか。 どうやらまだしばらくしねそうにはない。 いやでも、当分は生きていかなきゃいけない。 親は自分よりも先にいなくなってしまうし いつまでも甘えてばかりじゃいられない。 ひとりでも生きていけるようにしなくては。 私にはもうひとつ、 小さな頃から好きなことがあった。 絵を描くことが大好きだった。 時間もご飯も忘れて夢中になれるくらい。 本当に好きだった。 好きなことを仕事にするのは あまり気が進まなかったけれど (仕事になるといつかしんどくなりそうで) 他に何か得意なことがあるわけでもないし ダメ元でやってみるか、と思い グラフィックデザイン科がある職業訓練校に行くことに。 在学中にご縁あって、 ある会社に入社することになった。 お給料は多くはないけど、 一人で生活できるレベルだし 何より、何にも持ってないと思ってた こんな自分でも、好きなものひとつで 拾ってもらえたこと。 運やタイミング、いろんなものが重なって 巡ってきたご褒美のようなもので とても恵まれていたと思う。 いまではちゃんと自立して生活ができているし まだ絵に関するおしごともできています。 私が大事にしてたことは 「私は不運ではあったかもしれないけど、 不幸では決してなかった」 「すべての努力が報われるわけではない。 それでも積み重ねたものは無駄にはならない」 「助けてほしいと願うのは、やれるだけのことをやったとき」 「怒っても憎んでも、何も変わらない。 それどころか枷になって邪魔でしかない。 そんなことに心の容量使いたくない」 「人に過度な期待をしないこと。自分の人生を人に委ねないこと」 「自分の選択に後悔をしないように生きること」 「大切なひとには、ありがとうとごめんねとだいすきを、伝えられるうちにしっかり伝えておくこと」 振り返ってみて、まあまあ頑張ってきた人生だと思う。 まさかここにきて、溜め込んできたものが決壊して心の方を患うとは思ってなかったけど。 すごい大きなことを成し遂げたわけでもないし しんどい時期を乗り越えてしばらく落ち着いて、 いまさら精神疾患持ちになるなんて、 あんまりハッピーな話でもないけど。 こんなひともいるんだなあ、くらいに思ってもらえたらうれしいなって。
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