長子の私は、どうやら母的に「この子は大丈夫」とほっとかれる方の子供だったのだ
と 本人に言っても「そんなことないよ」というに決まってはいる。
あの家は、母も父も五人兄弟の「下の子」 そしてもちろん弟も「下の子」だ
大きいお姉ちゃんは 一人でできて当たり前だからほっとくんだ いつだってそんな感じの家だ
あの家で私がかまってもらえていると確信できるのは 叱られている時だ。だから私はいけないことと分かっていることをやる
突拍子もない奇行 をやってみせれば、だめでしょう と怒ってこちらを見てくれるからだ。
その方法でしか、自分をアピールできるすべを知らないから、学校でも職場でも、時々奇行 を起こす
確かに初めは注目してくれるけど、そのうち飽きれて離れていく。 そうして私は独りぼっちだ。