お話の詳細
自由
コーヒー豆_レベル._アイコン.yukari0520
1年前
生きているから辛い 生きているから分からない 生きているから悩む 不自由さが恋しくて、下らない日常を手にしたくて でも、当時はとにかく悲観的だった。 今私の手の中にある鍵は一つ。楽器の形の飾りを携え、英字のステッカーが貼られ 社会人バッグの中に仕舞われている。 本来その鍵は扉を開くための物だった。 大好きな祖父のキーホルダーが外れてしまって 代わりに見栄えを良くしようとするあまり、まるで統一感の無い有様になってしまった。 鍵を誤って捨ててしまわないように、大事にしているけどかなぐり捨てたくなる衝動にも駆られる。 私はこの鈍く光る鍵で、何処へ行けるのだろう。 もし、何処にも符号しなかったら 鍵を温めていた理由はなくなるんだろうか 私の思いが無になる瞬間が、後悔が訪れる時が怖い。 ああ、また橋を渡れなかったと、諦めて道草を噛んでいるだけの人生は嫌なのに
専門家にオススメ 0個, 共感 7個, コメント 0個