介護中の母の食事。一食は制限食を頼んでいるけど、他は自炊。朝は決まりだから良いとして、あと一食をどうするかは悩み。元調理師だから味にはとても厳しいし、市販だと塩分や糖質過多だ。
悩んだそれをきちんと食べてくれるととても勝った気分になり、その後、すぐに苦しさが襲ってくる。
介護から逃げた弟は、この母を知らない。歩くのが多少不自由で得意だった料理の鍋を振るえなくなった母を知らない。包丁で根菜を切れなくなった母を知らない。介護サービスでなんとかしていると思っているようだが、同居人がいる場合、家事介助サービスは使えないことを知らないんだろう。
スケープゴートだとは分かっている。ただ、弟が仕事を理由に介護から逃げて普通に生活していて、なんの連絡もよこさないことが許せないだけだ。仕事が忙しくない人間などいない。仕事の忙しさを理由に何かから逃げているだけだ。全ての仕事は等しく忙しく、そして優劣などないというのに。